2008年9月6日土曜日

減価償却制度の改正について

 今日は税務通信No3031を読んで気になった記事がありましたので、そのことについて書きたいと思います。気になった記事というのは「少人数で実務対応に追われる中小企業<前編>減価償却制度の改正を巡る動向」です<前編>とあるので来週以降に続くのでしょう。

 この記事は、平成19年度と平成20年度と2年連続で改正された減価償却制度が中小企業にどのような影響を与えるか?実態は?というもので、数社の具体例を用いたものです。ここで平成19年度改正と平成20年度改正の内容を復習しておきましょう。

 平成19年改正
  ・残存価額(取得価額の10%)の廃止
  ・償却限度額(取得価額の5%)の廃止
    → 平成19年4月1日以降取得の償却資産は1円まで償却可能
    → 平成19年4月1日前取得で既に償却可能限度額に達している場合、
      翌事業年度より5年間で1円まで均等償却償却可能
  ・250%定率法の導入
 
 平成20年改正
  ・耐用年数等に関する省令の改正
    → 機械装置の区分の大括り化(390区分→55区分)

 いずれも償却限度額が増加する改正ですので企業にとっては損金算入可能額が増加するわけですから法人税は減少することになり、減価償却費が増加することになりますから内部留保が進むと考えられます。法人税法における減価償却費の損金算入要件は、「減価償却費として損金経理」となっていますので会計上も当然減価償却費を計上することになります。費用である減価償却費を計上するわけですが、利益の圧迫要因になります。

 この改正は体力のある、業績の良い企業にとっては早期償却が可能なため前向きに考えられると思いますが、体力のない業績の悪い企業にとっては費用が増える要因になりますから銀行等の金融機関の融資スタンスに変化があるのでは?と捉えられている方がいらっしゃるようです。この記事にも書いてありますが、税制改正により償却限度額が増加しても任意で償却しない、過少に償却しているケースもあるようです。このような処理は「中小企業の会計に関する指針」に則った処理ではありません。金融機関からの融資が必要な中小企業にとっては、減価償却費を計上して赤字に転落でもしようものなら融資が止まることも考えられます。そのようなことから過少に償却するケースもありますが、やはり会計方針で法人税法の規定により減価償却することとしている場合には、法人税法の規定に基づききちんと減価償却費を計上して欲しいと思います。

 その他に気付いたこと、それは一括償却資産の取り扱いです。取得価額が20万円未満の一括償却資産は3年間均等償却していきますが、多くの企業は損金処理して別表調整により取得年ですと2年分を否認しているケースが多いと思いますが、固定資産に計上し3年間で均等償却する企業が目立ち始めたようです。私のお客さんも2社は固定資産に計上し3年間均等償却を行っています。

 この記事は格差ある中小企業の実態をあらわしていると思います。次回以降の記事も楽しみです。

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