今回は配偶者控除、配偶者特別控除について書きたいと思います。
前回の扶養控除では、対象者から配偶者が除かれていましたが、理由は前回も書いたとおり、配偶者には別途配偶者控除というものが設けられているからです。では配偶者控除とはどのようなものなのでしょうか?配偶者控除とは、
居住者が控除対象配偶者を有する場合で一定の場合には、38万円を控除する
というものです。こちらも扶養控除と同様に年齢等による加算があり、老人控除対象配偶者は48万円、さらに同居特別障害者に該当する場合には35万円を加算するとなっています。
では控除対象配偶者とはどのような人のことをいうのでしょうか?控除対象配偶者とは、
居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもののうち、合計所得金額が38万円以下の者
となっています。合計所得金額については前回の「年末調整②(扶養控除)」をご参照ください。
http://suetax.blogspot.com/2008/10/blog-post_7998.html
また、老人控除対象配偶者とは、控除対象配偶者のうち年齢70歳以上の者をいいます。なお、扶養親族と同様に青色事業専従者で給与の支払を受けるもの及び事業専従者に該当するものは除かれますし、判定の時期は12月31日の現況によります。
その他の注意点として、配偶者控除(後ほど説明する配偶者特別控除も同様)と扶養控除は重複して受けることはできません。例えば、Aさんと奥様Bさんは息子のCさんと同居しており、息子Cさんからともに生活費を出してもらっているとします。またAさんにも給与所得等の所得がありますがBさんには所得がありません。Aさんから見るとBさんは配偶者で生計を一にしていますから控除対象配偶者になり、同時にCさんから見ても生計を一にしているため扶養親族に該当します。この場合、BさんはAさんの所得計算で配偶者控除を受けるか、Cさんの所得計算で扶養控除を受けるか?どちらか一つになるということです。
次に配偶者特別控除ですが、こちらは配偶者のうち控除対象配偶者に該当しない配偶者が対象となります。(配偶者控除と配偶者特別控除は重複して適用を受けることはできません)配偶者特別控除とは、
居住者と生計を一にする配偶者で控除対象配偶者に該当しない者のうち、合計所得金額が76万円未満の者を有する場合には、一定の金額を控除する
というものです。こちらも配偶者控除と同様に、青色事業専従者で給与の支払を受けるもの及び事業専従者に該当するものは除かれますので、実質的には合計所得金額が38万円を超えたため配偶者控除を受けられない方が対象となります。控除額は合計所得金額に応じて3万円から38万円となっています。
配偶者控除、配偶者特別控除ともにですが、配偶者が死亡し、その年中に再婚した場合の配偶者控除ですが、控除対象配偶者になるのは死亡した配偶者又は再婚した配偶者のうち一人に限られます。注意点としては、配偶者特別控除は居住者の合計所得金額が1,000万円を超える場合には適用がないということです。そもそも配偶者特別控除は、合計所得金額が少しでも超えた場合には配偶者控除を受けられないということを考慮して、少しの差でゼロというのは可哀そう?という考えから、全額とはいかないまでも段階的に控除を認めようというものです。よって、合計所得金額が1,000万円を超えるような所得の多い方までは考慮しないというものです。
次回は社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、小規模企業共済等掛金控除について書きたいと思います。

5 件のコメント:
初めまして。所得税の配偶者控除と扶養控除の重複について、ご教授をお願い致します。
国税庁のサイト「配偶者特別控除を受けるための要件」(http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1195.htm)には、「ほかの人の扶養親族となっていないこと。」という要件がありますが、
「控除対象配偶者の要件」(http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1191.htm)には、「ほかの人の扶養親族となっていないこと。」という要件がありません。
これだけを見ると、配偶者特別控除と扶養控除の重複は不可であるが、配偶者控除と扶養控除の重複は可と解釈できますが、
配偶者控除と扶養控除の重複が不可である根拠は何でしょうか?(控除の考え方としては不可が正しいを思いますが)
tsumaさん、コメントありがとうございます。
扶養控除は扶養親族を有する場合に適用がありますが、扶養親族の定義から配偶者は除かれています。(所得税法第2条三十四項)よって、配偶者控除と扶養控除の重複適用はありません。次のTaxアンサーの2扶養親族の要件(1)にも記載してあります。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1180.htm
ご回答ありがとうございました。しかし、私の説明不足のため、質問の意図が伝わっていなかったようです。
suetaxさんの元の投稿の想定において、「Aさんが配偶者控除と扶養控除の両控除を重複して受けることができない」ことは認識しておりますが、「Aさんが配偶者控除を受ける」かつ「Cさんが扶養控除を受ける」が不可である根拠(所得税法のどこに規定されているのか)を教えて頂きたく、お願い申し上げます。
tsumaさん、こんにちは。
所得税法第83条二項に規定されています。
(配偶者控除)
第八十三条 居住者が控除対象配偶者を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から三十八万円(その控除対象配偶者が老人控除対象配偶者である場合には、四十八万円)を控除する。
2 一の居住者の配偶者がその居住者の控除対象配偶者に該当し、かつ、他の居住者の扶養親族にも該当する場合には、その配偶者は、政令で定めるところにより、これらのうちいずれか一にのみ該当するものとみなす。
3 第一項の規定による控除は、配偶者控除という。
これで父を説得できます。ありがとうございました。
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